依存を知ること。それは自分を知るということ。
こんばんは。断酒611日目の青猫です。
引き続き、今夜はAERAを読んでいました。
「断薬から治療優先へ~依存症治療の最前線」
・脳のメカニズム
とても衝撃を受けたのは、アルコールが脳のメカニズムそのものを変えてしまい、「脳内報酬系」という神経系が異常になり元に戻らないという部分です。
薬物やアルコールのように脳に直接作用する依存と、ギャンブルや買い物、ネットゲームなどの行動で起きる依存との決定的な違いはここなのですね。
自分はいけない、危ないものに依存していると気がつき、どうにかしなければと必死なのに、ある時どうしようもない衝動に突き動かされて再飲酒してしまう。
これは決して、自分の意志が弱いとか、ダメな人間だということでななくて、もうそういう脳のメカニズムが変更出来ないことになってしまっている、ある意味「不可抗力」であるということなのです。
・薬物依存と認知行動療法
でも、「じゃあ断酒するのは無理なのか」と早まってはいけません。
脳に作用して欲求を抑える薬の研究や、認知行動療法による治療が依存症専門病院で行われています。
医療は刻々と進歩していて、薬のみでなくあらゆる治療の組み合わせで回復への道が拓ける。
AERAの記事からは、そんな未来に繋がる印象を受けました。
何より、こうして有名な一般誌が依存症について取り上げ、特集を組んでいるということが、アルコール依存症に対する世間の認識が変わってきている、未来が見え始めているということなのではないでしょうか。
・アルコール依存症と遺伝子
特集では、アルコール依存症になりやすい遺伝子があるという研究についても触れています。
ストレスがかかると依存を起こす遺伝子があるらしい。
飲める体質・飲めない体質も遺伝子で決まり、それが依存症になるか否かの分かれ目になっている。
面白いのは、下戸であっても飲み続ければ依存症になり得るらしいという記事。
これも、私たち依存症を持つ身には心に痛みが走る事実です。
でも、この痛みこそが大切、重要なのではないでしょうか?
辛いけれど、自分を苦しめている依存症の正体を知ること。
それは自分自身を知るということ。
今まで大嫌いだった、恥ずかしくて仕方なかった自分の内面にそっと触れて、抱きしめてあげてください。
誰にもそれは、出来ないこと。
出来るのは、自分だけ。
治せるのは、自分だけなのですから。
「アルコール依存症になる人は、決して自業自得ではなく、体質と日本のアルコール文化の犠牲者とも言えるのです」
久里浜医療センターで治療に携わっている医師の言葉に、救われるものを感じました。
そして、その言葉の上に胡坐をかくことなく、私たち自身が回復に向けて、日々を重ねていかなければならないということを胸に刻んで。
明日は決して、暗くない。
前へ進め!です(^_^)