息子たちへ
息子たちへ
アルコール依存症という運命（さだめ）の下に生まれし息子たちよ
あなたが断酒を志し、その門を叩いたときのことを覚えていますか
アルコールの罠にはまり、心も体もボロボロになり
もう二度と……と流した涙の熱さを覚えていますか
悪いのはあなたじゃない
あなたの心のやさしさは、誰より私が知っている
青くて無垢なその心に 忍び寄る悪魔の声
魅惑的に響く甘い声 親切そうな猫なで声
あなたの心の寂しさは きっと共鳴してしまう
辛かった 悲しかった 泣きたかった
たくさんの気持ち たくさんの思い
ギュッと心に押し込んで
無理に笑って 泣いてたね
こんなに近くに見えるのに
あなたは ほんとは 遠かった
心配したよ 切なかったよ 届かないのかと……
でもね 一番辛いとき
あなたは声をあげていた
心の奥に押し込められた ほんとの気持ち
「助けて」って「誰か」って 信じる気持ちが叫んでた
そしてみんなが駆けつけたね
そうだよ あなたはもう独りじゃない
伝わるよ 伝わってるよ みんなこんなに思っているよ
あなたのことを あなたのことを あなたのことを
まだまだ旅は続くでしょう
暖かい日もあれば 北風の冷たい日もある
それでもあなたは歩いていく
うつむいた視線を上げてごらん
一緒にみんなが 歩いているから
断酒という試練 神様からの贈り物
今夜はそれを抱きしめて
おやすみ どうぞ怖い夢を見ませんように
息子たちよ
断酒328日目 青猫
※注 息子＝30代前半まで(^^)/
