おんなじ星の下に生まれて
始まった１週間
相変わらずの…いや、もっと過激な夏の１日
いつも必ず時間前に来る取引先の担当さん
時間になっても現れず
「勘違いしてたかな？」
何度もスケジュールを見直して電話してみる
「暑くて……ノビてましたぁ………」
電話の向こうの震える声に
「事故じゃなくて良かった」安堵と
「もしや熱中症？」不安と
いつものように時間より前に来て
車の中で待機中に
具合が悪くなったのだという
エアコンを強くしても
吐気とめまい
朝顔を合わせたときは、元気な笑顔だったのに
打ち合わせ室の冷房を強くして
冷たい麦茶と
みんなの差し入れ塩飴の数々
どうにか仕事は出来たけれど
どうかくれぐれも無理ないように
体調が回復する間
話していたら知ったこと
ふたりは同じ誕生日
夏が大好きな私と
夏が苦手と言う彼女
真夏生まれの別々のふたり
汗をかけない彼女と
汗ばかりかいてる私
お酒の大好きな彼女と
お酒が大好きだった私
お酒と上手くつきあえてる彼女と
お酒とは上手くいかなかった私
おんなじ日おんなじ星の下に生まれた
人生って……どうやって決まるのだろう
昨日は一歩も家から出なかったという彼女と
今夜も走らずにはいられなかった私
同じ星の下に生まれて
別々の道を歩いて
そして今いっしょにいる
人生って……いったい誰が決めてるのかな
