青猫日記〜断酒とジムと日々色々

断酒とジムと、他愛のない毎日の記録。

松の木は、残った。

こんばんは。断酒352日目の青猫です。

今日は菜の花を見に出掛けました。

 

空は気持ち良く晴れて、さらりとした風が吹き抜ける…そんな中を歩いて、胸いっぱいに、いい空気を吸い込んで来ましたよ(^^)

 

途中、松並木があるのですが、ここを通った時に夫が言いました。

「松の皮が剥けている話、したことあったっけ?」

「聞いたことないけど……?」

見ると、どの松も同じような場所がえぐられたようになっています。

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 「これね、戦争中に松の皮を剥いで油を取った痕なんだよ」

松根油(しょうこんゆ)と言うのだそうです。

第二次世界大戦で、いよいよ物資不足に悩まされた軍部は石油に代わる燃料として、松の皮を剥いで傷つけて松やにを採り、航空機の燃料にしようとしていたのだそうです。

この作業に駆り出されたのは、戦争の留守を守る女性や老人、子供たち。

懸命に松の根を掘ったり、皮を剥いだりという作業に明け暮れていたそうです。

結局、松根油で飛行機が飛ぶことは無かったようですが、全国各地の松にこの痛々しい傷跡の残ったものがあるようです。

 

news every.-「ミンナが、生きやすく」-

 

美しい風景とは全く逆の世界を見たようでした。

そして何となく、断酒する私たちと松の姿が重なって見えてしまいました。

 

アルコールで心と体に大きな傷跡を負った私たち。

その痛々しい傷は、ずっと消えることはありません。

松はそれでも、しっかりと根を張り、枝を伸ばして生きてきました。

辛かった戦争を乗り越え、凍える雪の日も、吹き荒れる風の日も、じっとそこに、たたずみながら。

そして今日、こうして澄み渡る5月の空の下で、私に語り掛けるのです。

「大きな傷があったって、強く、まっずぐに生きていけるんだよ」って。

 

もう一度、深呼吸。

大きな歴史の過ちで失った多くの命へ。

そして未だ消えぬ、辛い思い出に。

松の木は、残った。

そして私たちは、これからを歩いていく。

 

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