松の木は、残った。
こんばんは。断酒352日目の青猫です。
今日は菜の花を見に出掛けました。
#イマソラ
— 青猫 (@aonekoon) 2016年5月15日
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空は気持ち良く晴れて、さらりとした風が吹き抜ける…そんな中を歩いて、胸いっぱいに、いい空気を吸い込んで来ましたよ(^^)
途中、松並木があるのですが、ここを通った時に夫が言いました。
「松の皮が剥けている話、したことあったっけ?」
「聞いたことないけど……?」
見ると、どの松も同じような場所がえぐられたようになっています。
「これね、戦争中に松の皮を剥いで油を取った痕なんだよ」
松根油(しょうこんゆ)と言うのだそうです。
第二次世界大戦で、いよいよ物資不足に悩まされた軍部は石油に代わる燃料として、松の皮を剥いで傷つけて松やにを採り、航空機の燃料にしようとしていたのだそうです。
この作業に駆り出されたのは、戦争の留守を守る女性や老人、子供たち。
懸命に松の根を掘ったり、皮を剥いだりという作業に明け暮れていたそうです。
結局、松根油で飛行機が飛ぶことは無かったようですが、全国各地の松にこの痛々しい傷跡の残ったものがあるようです。
美しい風景とは全く逆の世界を見たようでした。
そして何となく、断酒する私たちと松の姿が重なって見えてしまいました。
アルコールで心と体に大きな傷跡を負った私たち。
その痛々しい傷は、ずっと消えることはありません。
松はそれでも、しっかりと根を張り、枝を伸ばして生きてきました。
辛かった戦争を乗り越え、凍える雪の日も、吹き荒れる風の日も、じっとそこに、たたずみながら。
そして今日、こうして澄み渡る5月の空の下で、私に語り掛けるのです。
「大きな傷があったって、強く、まっずぐに生きていけるんだよ」って。
もう一度、深呼吸。
大きな歴史の過ちで失った多くの命へ。
そして未だ消えぬ、辛い思い出に。
松の木は、残った。
そして私たちは、これからを歩いていく。